「なんだか、王様になった気分!」
夜の布施商店街を歩きながら、そうつぶやいたのは9歳の圭藤くん。この日、彼らは“地元の住人”ではなく、“宿泊ゲスト”でした。
SEKAI HOTEL 大阪布施では、これまで宿泊ゲストを迎え入れてくださったまちの「キャスト」の皆さまをホテルにご招待する特別宿泊企画『10000人の共飯者』を実施しています。
記念すべき第1弾のゲストは、布施の街で長く愛されるたこ焼き店「丸幸水産」の店主・寺田武司さんご一家。奥さんの亜希さん、そして息子の圭藤くんの3名です。
ふだんは半袖Tシャツに前掛け姿でアツアツのたこ焼きを焼き、コテコテの関西弁で宿泊ゲストを迎えてくれる寺田さん。SEKAI HOTEL 大阪布施の開業当初からパートナーショップとして関わり、スタッフに布施のイロハを教えてくれた「まちの先輩」でもあります。
そんな“もてなす側”の寺田さんに、今宵は日頃の感謝を込めて。いつも暮らす布施のまちへ、「おかえりなさい!」と、家族団欒の宿泊ゲストになっていただきました。
地元すぎる街で、はじめての「旅行者」体験
お仕事終わりの寺田さんご夫婦と、英語塾終わりで少しお疲れ気味の圭藤くんがフロントに到着。いつもは迎える側の皆さんが、首から宿泊者専用のSEKAI PASSを下げて立っている姿は、どこか新鮮です。

チェックイン時、スタッフからの「SEKAI HOTELはまちごとホテルです」という説明に、「もう知ってるよ」と言わんばかりにニヤニヤする寺田さん。それでも、ゲスト向けのLINEガイドブック機能には「へえ、こんなことも説明するんや」と興味津々の様子でした。
さらに、SEKAI HOTELオリジナルのおみくじを引いて、圭藤くんも「みてみて!」と嬉しそうな表情。気づけばすっかり“旅行者の顔”になっています。

今回宿泊するのは、元「姿田紙店」をリノベーションした客室「N7」。
部屋に入るなり、「へえ〜、こんなんなってるんや!」と大人たちが感心する横で、圭藤くんは「奥、入ってもいい!?」と探検モードに。いつも“迎える側”の人が“迎えられる側”になると、同じ街でも見える景色は少し変わる。そんな小さな変化が、すでに始まっていました。
常連店に“宿泊ゲスト”として行く面白さ
ひと息つく間もなく、夕食へ。向かったのは、「海鮮居酒家 房」です。

実は寺田家にとっては大常連のお店。 「SEKAI HOTEL宿泊の寺田です」と声をかけると、「あんたたちか〜!(笑)」と女将もびっくり。いつもの仲間に改めて“お客さん”として迎えられる、なんとも不思議な時間が流れます。

ここで、寺田家おすすめのメニューを少しだけ。圭藤くんは、大好きな「カマンベールフライ」と「ピザ」。寺田さんは、新鮮な「タイの薄造り」をチリソースで。亜希さんは、その日おすすめの焼き魚を。

そして忘れてはいけないのが、宿泊ゲスト限定のパートナーショップ特典。「大将、いつもの!」の一言で、スタッフさんがニヤリとしながら小鉢を運んできてくれました。

知っているお店も、ホテルの夕食会場と思うと、ちょっと不思議で、特別なディナータイムになります。
銭湯「戎湯」と、王様になった夜の商店街

食事のあとは、もうひとつのお楽しみ。銭湯「戎湯」へ向かいます。近所の銭湯には行くものの、戎湯は初体験という圭藤くん。「楽しみにしててん!」と、足取りも軽やかです。
「SEKAI HOTELです!」とSEKAI PASSを見せて入るその姿は、まるで常連のよう。

広いお湯にゆっくり浸かり、「気持ちよかったー!」と出てきたあとは、やっぱり一杯。圭藤くんはオロナミンCを片手に、お父さんと乾杯です。
そして帰り道。シャッターの降りた商店街を、家族3人で歩きます。そのとき、圭藤くんがぽつり。
「なんだか、王様になった気分!」
誰もいない商店街を、自分たちだけで歩く特別な時間。それは、夜まで滞在する“宿泊”だからこそ味わえる体験でした。
いつもの街で、はじめてのモーニング

ぐっすり眠った翌朝は、喫茶店でのモーニングから。向かったのは、禁煙で家族でも利用しやすい「Fuji Cafe」。実は「丸幸水産」と同じ通りにあるお店です。
ランチでは訪れたことがあるものの、モーニングは初めて。それぞれが好きなメニューを選び、ゆったりとした朝の時間を過ごしました。いつも通る場所なのに、時間が変わるとどこか少し違って見える。そんな静かな変化が、ここにもありました。
日常は、泊まることで少しだけ特別になる
「はあ〜楽しかった!」チェックアウトを終え、笑顔でフロントをあとにする寺田さん一家。フロントを出れば、そこはもう見慣れた日常。寺田さんは再び前掛けを締め、いつものアツアツのたこ焼きと笑顔で、宿泊ゲストを迎えます。
旅は、遠くに行くことだけではありません。いつものまちに泊まることで、日常が少しだけ特別に見えることもある。旅行者に届けてきた「日常」は、まちに暮らす人にとっても、新しい景色を見せてくれました。

後日、圭藤くんが学校の自主学習ノートに、この日の体験をまとめてくれました。
普段は何気なく過ごしているまちも、少し視点が変わるだけで、まったく違った景色として立ち上がる。そしてその気づきが、まちへの愛着や、自分の暮らす場所へのまなざしを、ほんの少し変えていくのかもしれません。
もしこの一晩が、そんなきっかけになっていたとしたら。それは、布施のまちにとっても、とても嬉しいことです。
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