FEATURED SPOT おすすめスポット紹介
布施のおすすめスポット

帰り道に、オーセンティックをひとさじ。【Bar Stax|バー】

布施駅から歩いてすぐ。雑多な商店街を抜けた先、ぽつんと浮かぶハイネケンの緑。
「Bar Stax」は、騒がしくない夜にちょうどいい。カウンター越しに注がれるのは、たとえば今日の気分みたいな一杯。
会話があっても、なくてもいい。ただ、自分を削らずにいられる。そんな夜が、このまちには、ちゃんとある。

スポット情報
Bar Stax
住所 大阪府東大阪市長堂1-2-3GoogleMap
電話番号 06-6618-5118
営業時間 18:00~3:00
定休日 火曜日
喫煙不可 喫煙可

駅前のざわめきが、ふっと遠のく階段の先に

布施駅の北口から「ブランドーリ布施1番街」へ。
焼き鳥の煙、八百屋の声、帰宅途中の足音。
そんな日常のなかに、ふと赤い看板が浮かびあがる。

ハイネケンのネオンに誘われて階段を上がれば、そこが「BarStax」。
木のカウンターに反射するグラスの琥珀が、今夜のはじまりをそっと告げる。

「どんな気分?」から始まる、静かな対話

この店には、決まったドリンクメニューがない。
カウンターの向こうのバーテンダー 二飯田さんが、「今日はどんな気分ですか?」と訊く。

強めがいい日もあれば、甘さに癒されたい夜もある。うまく言葉にできなくても、気分をすくいとるように一杯が差し出される。
グラスの中に、自分の輪郭が少しずつ戻ってくる。

カクテルもウイスキーも、“空気感”で味わう

棚に並ぶ50本以上のウイスキーも、旬の果物のカクテルも、うんちくじゃなく空気で味わう。「甘め」「さっぱり系」——そんな頼み方で、充分。

黒板のおすすめに目をやるのもいいけれど、気楽に「おまかせで」と言いたくなる。飲むというより、その時間をいっしょに過ごす感覚。

明るくて、やさしいバー

照明はやわらかく、声もちゃんと届く。顔が見える明るさと、心がほどける距離感。カウンターのほか、2人掛けのテーブルやボックス席も。

チャージもないから、「今日は一杯だけ」の夜にもやさしい。そういう気軽さが、この場所を“特別じゃないけど帰りたくなる”場所にしている。

にじむ熱と、ゆるやかな連帯感

棚に並ぶ阪神グッズや、額縁のサイン色紙。どうやら二飯田さん、生粋の阪神ファンらしい。試合がある夜は、店内でひっそりライブビューイング。勝った日は静かにグラスを掲げ、負けた夜は少しだけ言葉が増える。

知らない人とも、自然と目が合い、うなずき合う。静けさの中にある、ちいさな熱。そんな夜の余白が、この店にはよく似合う。

甘さと塩気と、ちょっとした余韻

レーズンバターは、小さなごほうび。やわらかな甘さと塩気が、口のなかでゆっくりほどけていく。会話が止まったとき、氷の音が鳴ったとき、その間(ま)をそっと埋めてくれる。それもまた、この店のやさしさのひとつかもしれない。

観光地じゃない、暮らしの中の場所として

「特別じゃなくていい。でも、帰りたくなる場所でありたい」
二飯田さんのその言葉が、すべてを物語っている。

誰にも会いたくない日も、言葉を選べない夜も。その灯りはいつも変わらず、迎えてくれる。そう思うだけで、ふっと心が軽くなる。そんな“まちのバー”が、ここにある。

このスポットへのアクセスACCESS