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マジックと串で、のぼせ上がれ。【串焼き酒場のぼせもん|居酒屋】

ガラスの向こうから聞こえてくるのは、ちょっとした驚きと、あたたかい笑い声。串をかじって、マジックに目を見張って、気づけば隣の誰かと乾杯している。そんな夜が、不意に心をほどいてくれる。
布施・あかつき通りに佇む「串焼き酒場のぼせもん布施店」は、2022年オープンの居酒屋。美味しさも、出会いも、予定調和じゃないから面白い。

スポット情報
串焼き酒場 のぼせもん 布施店
住所 大阪府東大阪市長堂1-3-19 ロフティ長堂 1FGoogleMap
電話番号 06-6748-0806
営業時間 17:00~1:00
定休日 なし
喫煙可否 喫煙可

巻かれて、香ばしくほどける。──豚巻き串の魔法

「大阪といえば串カツ」
そんな定番イメージに、静かに風穴を開けるのが、のぼせもんの「豚巻き串」
野菜を芯に、豚バラ肉がふわりと巻かれている。

一番人気のレタスに、トマト、ズッキーニや、えのき
迷ったときは「豚巻き5本盛り合わせ」を頼むのが正解かもしれない。
その日のお任せが、ちょうどいいバランスでまとめられて出てくるそうだ。
ジュッと焼きあがる香ばしさ。シャキッと弾ける食感。そして、あとを引く旨み。

これはもはや、ヘルシーというより、ただただうまい。
「串って、こんなに軽やかだった?」そんなふうに思わされる。

餡がそっと寄り添う、あんかけ豆腐

強い料理のあとに、ふと欲しくなるのが「あんかけ豆腐」。

創業70年の豆腐屋さんから届く、丸大豆100%の豆腐に、優しい餡がたっぷりとかかっている。箸を入れると、ふわりとくずれて、香りが立つ。出汁のきいたとろみが、火照った体とほどよくけんかして、すっと溶けていくような一皿。

お酒の〆に、いや、むしろ最初に食べたい時もある。きっとこれは、どのタイミングでも正解になる味だ。

お皿が話しはじめる

のぼせもんの料理をのせる器たちは、どれも自由でユニーク。
にぎやかな柄、思わず撫でたくなる手触り、不揃いな形。量産品ではない「選ばれた器たち」からは、静かに暮らしの気配がにじむ。

「この皿、どこで買ったん?」そんな声が、いつしか会話の呼び水になる。店の空気とお皿の空気が、どこか似ているのかもしれない。

あかつき通りの、明るくてやさしい夜

場所は、布施駅から歩いてすぐの「あかつき通り」。
夜になると、赤提灯がぽつぽつ灯る通りの一角に、のぼせもんはある。
ガラス張りの店内は、外から中がよく見えて、初めてでも入りやすい。

「ここ、ちょっと気になるな」──その気配に素直になってほしい。
中に入れば、若いスタッフの元気な声、あちこちから聞こえる笑い声。
スタイリッシュだけど、どこか実家みたいな安心感。

ふいに始まる、マジックと出会い

のぼせもんには、ちょっとしたサプライズがある。
ふとしたタイミングで、マジックが始まるのだ。トランプ、コイン、指先の影──ふわっとした空気を裂くように、目の前で「魔法」が繰り広げられる。

実はこの店、オーナーがマジックバーも経営していて、スタッフがマジックを習得しているという。手品に驚いて、笑って、隣の人と目が合って、つい「乾杯しよか」なんて流れになる。その一連の自然さが、のぼせもんらしさ。

“ネギーマン”と世界をめぐった店主

店主のねぎさんは、ちょっと変わった経歴の持ち主。
大学時代、ご当地野菜・ネギの魅力を伝える“ネギーマン”というキャラを連れて、世界を旅していた。

バックパックの中には、ネギと笑い。各地で食を通じて人とつながり、「食ってやっぱり、国境を越えるんだな」と肌で感じたという。

その体験が、今ののぼせもんの空気につながっている。料理も、器も、マジックも、ぜんぶ“話したくなる理由”になるようにできている。

夜更けまで、笑いとともに

気づけば時計の針は、深夜0時。でも、のぼせもんはまだ灯っている。

USJ帰りのグループ、地元の常連、旅の途中のカップル──
それぞれが好きなように時間を使って、席を立ったり、もう一杯頼んだり。

ここには、ちょっと寄って帰るだけじゃもったいない、夜がある。

串が焼ける音と、誰かの笑い声と、指先の魔法。
そんな夜に出会えたら、また来たくなるのも仕方ない。

「なんか、いいよね」って思えること。
それが、この店のいちばんの魅力かもしれません。

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