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朝7時まで、おでんと定食の灯りが消えない食堂。【深夜食堂てんちち|夜定食・居酒屋】

夜の町が静かになる頃、明かりがひとつだけ残る。深夜食堂てんちちは、夜20時から朝7時まで、おでんやスパゲッティ、定食が食べられる店だ。派手さも主張もないけれど、扉を開けた瞬間にふっと肩の力が抜ける。

近くの飲食店やバーで働く人たちが仕事終わりにひと息つきに来ることも多い。誰かと騒ぐためじゃなく、ただお腹を満たすために座るカウンター。深夜に食べる温かい料理と時間が、今日の疲れをゆっくりほどいてくれる。

スポット情報
深夜食堂 てんちち
住所 大阪府東大阪市足代新町9−11 あじろ横丁GoogleMap
電話番号 06-6224-4554
営業時間 20:00~7:00
定休日 日曜日

暗がりで灯る深夜の食堂

深夜食堂てんちちは、夜の20時から朝の7時まで開いている。夜に向かって開く、少し変わったリズムの店だ。朝の店が「一日のはじまり」をつくる場所なら、ここはその逆。一日の終わりに、もう一度整い直す場所。

店の前を通り過ぎた人たちは、決まって二度見る。それくらい灯りが優しくて、気づくと引き寄せられてしまう。

扉を開けると、カウンターが9席。そこに座る人たちは、不思議と静かで、穏やか。声を張る必要がなくなる場所は、そう多くない。

おでんとスパゲッティとが主役

深夜食堂てんちちの看板は、おでんとスパゲッティ。最初は組み合わせに戸惑うけれど、二回目からはその疑問が消えていく。

おでんは、あさりの貝出汁。澄んだ汁からふわっと潮の香りが立つ。大根に箸を入れると、吸い込むように切れていく。噛むたび、出汁が口いっぱいに広がる。

少し間を置いて、太麺のスパゲッティ。いわゆる“パスタ”というより、喫茶店のそれに近い。どれも妙に落ち着く味で、自然と頬がゆるむ。

深夜に定食という選択肢

夜中に定食を食べるなんて、少し背徳っぽく聞こえるかもしれない。でも、深夜食堂てんちちではそれが妙にしっくりくる。

炒め物、揚げ物、だし巻き。どの一品にも+100円で、ご飯と味噌汁がつく。それだけのことなのに、ただの「つまみ」が、きちんとした「晩ごはん」に変わる。

湯気の上がる味噌汁。茶碗に盛られた白いご飯。当たり前のようで、深夜にはなかなか出会えない景色。

終電を逃した人、深夜まで働いた人、まだ家に帰りたくない人。理由はそれぞれだけれど、ここで定食を前にすると、少し身体がゆるむ。

眠らないまちに寄り添う味

夜が更けても、この店にはときどきドアが開く音がする。近くの居酒屋やバーで働く人たちが、仕事終わりにふっと寄っていく。ここでは、「おつかれさま」と言う代わりに、ご飯を炊く音や、おでんの出汁の香りが空気をやわらかくしてくれる。

今日がどんな1日だったか、そんな話をする日もあれば、ただ黙って箸を進めるだけの日もある。どちらでもいい。どちらでも受け入れてくれる。

「今日も頑張ったな」と思える味が、深夜の胃袋にすっと収まる。このまちが眠らない理由のひとつに、この店があるのかもしれない。

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