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高岡のおすすめスポット

地下で囲む。確かな味と、友の笑い声。【度々平|居酒屋】

高岡の夜に、ひときわ熱い場所がある。
一見すると、その正体は分からない。けれど、一度足を踏み入れたら、胃袋も心もすぐに掴まれてしまう。

手の込んだおばんざいや、「どこから来たが?」で始まる、気取らないひととき。

高岡のまちで半世紀。変わりゆくまちの景色のなかで、「度々平(どどへい)」は変わらない味と変わらない笑い声を守り続けてきた。

今日も誰かが、そんな心ほどける時間を求めて集まっている。

スポット情報
度々平
住所 〒933-0021 富山県高岡市下関町2−18GoogleMap
営業時間 17:00~23:00
定休日 不定休
喫煙可否 喫煙

楽しい夜は、地下に。

SEKAI HOTEL Takaokaから歩いて5分。路地の一角に、白く静かに灯る看板がひとつ。

「度々平」――その佇まいはどこか控えめ。だけど、地下の入り口へと続く階段には、やけに人を吸い寄せる引力がある。

階段を降りて扉を開ければ、「いらっしゃい!」の声と、賑やかな笑い声が迎えてくれる。

この場所に人が集う理由が一瞬で分かる、そんな包容力がある。

人が集うのには、“味”がある。

カウンター席

カウンターに並ぶのは、大皿に盛られたおばんざい。その味には、親しみとともに、妥協のないおいしさが宿っている。

自慢の一つだという「豚角煮」は、強火で長時間煮込んでホロホロに。

人気の「かに焼売」には、蟹の身をたっぷりと。ひと口ごとにうまみが広がる。

メニュー表

「おいしいものを食べてもらいたい。ただそれだけ」と話すママ。

若いころからたくさんの店を食べ歩いた経験が、この店の味に生きている。

ジューっと焼ける音、春の風物詩。

ホタルイカの溶岩焼き

春限定の名物「ホタルイカの溶岩焼き」は、ここだけの味。これを目当てに毎年訪れる人も少なくない。

音と香りが食欲をそそる。程よく色づく頃合いを見て、熱々のうちに頬張るのが鉄則。

富山湾の朝どれ“きときと”を。

そして忘れてはいけないのが、お刺身。

口に入れると、とろけるような脂と甘み。

「やっぱり、富山の魚はうまい」

一切れ食べれば、まっすぐにそう思わせてくれる。

素のままの接客が、嬉しい。

「居酒屋でかしこまった接客をしたって、つまんないじゃない」と笑うママ。

これも外せない度々平の魅力である。

常連さんと冗談を交わしたり、県外のお客さんと翌日の観光プランを一緒に考えたり。

誰にでも “素のまま”で接するからこそ、お客さんも気づけば心を開いてしまう。

たまたま隣の席に座る人と仲良くなる、なんていうのも、きっと飾らない接客がかけてくれる魔法。

だから、初めての人でも、おひとり様でも、怖くない。

また、あの笑い声に会いに。

看板が灯っているだけで、なぜかほっとする。

「いらっしゃい」の声も、ママのおばんざいも、隣の誰かの笑い声も、まるで親戚の家に帰ったような、そんな温かさがある。

だから、また帰りたくなる。

まちの景色が変わっても、ここだけはきっと、変わらないでいてくれる場所だから。

扉の奥では、今日もあのときと同じ笑い声が響いている。

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