昼下がりの高岡のまちに、「居酒屋」の文字が揺れる暖簾。
路地裏に立ち上る匂いには、思わず足を止めてしまう。
「居酒屋たかまさ」。 ひと足早く夜が始まるこのお店には、初めて訪れる人もいつの間にかくつろいでしまう、そんな温かさがある。
隣の人と肩を並べて、15時の一杯。
暖簾の奥には、そんな特別な時間が待っている。
住所 | 〒933-0023 富山県高岡市末広町42GoogleMap |
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電話番号 | 0766-24-5745 |
営業時間 | 月~土 15:00~23:00 日・祝 15:00~22:00 |
定休日 | 第1・3日曜 年末年始 |
喫煙可否 | 否 |
匂いに誘われて、15時の乾杯。
SEKAI HOTEL Takaokaから歩いてほんの1分。
まだ空が明るい15時の路地裏に、温かい夜ごはんの匂いが漂う場所がある。
「居酒屋たかまさ」。ほのかに光る提灯と看板が目印。
暖簾をくぐれば、特別な“15時の乾杯”が幕を開ける。
出来立てが、早い、旨い。
席についたら、まずは最初の一杯。
そのおともには、「これは早くお出しできますよ」とおすすめされた「おでん盛合せ」。
ほかの料理が到着するまでのこの一品が、自然と心をゆるませてくれる。
「高岡に初めて来たんやったら、“すり身揚げ”食べていかれね。」
そう教えてくれたのは、隣の席の常連さん。なんでも、高岡のソウルフードらしい。
あつあつの湯気も一緒に、ひと口。口いっぱいに広がる魚介の風味に、思わず地酒も進む。
富山の旬を、一皿に。
“天然のいけす”と呼ばれる富山湾は、海の幸の宝庫。その魅力が集結した「刺身盛合せ」は、とろけるような美味しさだ。
魚だけじゃない。富山の食材を使うことにこだわるこのお店では、おつまみの定番である「枝豆」までもが富山県産。
たかまさでは、魚から野菜にいたるまで、あますことなく富山を味わえる。
高岡のまちに、一筋に。
親子二世代で営むたかまさ。
高岡生まれの先代の大将は、もともと東京で洋食のシェフをしていた。
地元にもどって独立するときに「居酒屋」という道を選んだのは、高岡で愛され続けるお店を作るため。
高岡へのひたむきな一筋の想いが、このお店の根源なのだ。
次の約束も、たかまさで。
隣の席に誰が来るかは、分からない。
だけど、温かい料理と、おいしい酒と、店員さんの粋な計らいが、隣の人との境界線をさりげなくぼかしてくれる。
地元の人と趣味の話で盛り上がったときには、「またここで一緒に飲まんまいけ」と約束をしたり、たまたま出身地が同じだと分かったときには、「次は地元で飲みましょう」という約束まで。
まさに一期一会。初めて来たのに、ほっとする。
ここは、誰かにとっての“出会い”と“再会の約束”が生まれる場所なのだ。
お店を出ると、空は薄暗く染まっていた。
「次の約束があるって、いいな。」
お腹も心も満たされて二軒目に向かう足取りは、きっと心地よさと嬉しさが滲んでいる。