布施駅北口、イオンの2階。かつて“ビブレ布施”と呼ばれていたこの場所で、la pause-café(ラポーズ カフェ)はもうすぐ30年、変わらずに店を開いている。
自家製ケーキは常時8種類ほど。ランチにもお茶にも寄り添う、やさしい空気がここにはある。旅の途中でも、ふだんの午後でも、ふと思い出したくなるようなカフェだ。
| 住所 | 大阪府東大阪市長堂1-8-37 ヴェル・ノール布施2FGoogleMap |
|---|---|
| 電話番号 | 06-6784-4560 |
| 営業時間 | 平日|10:30〜17:30、土日祝|11:00〜17:30 |
| 定休日 | 不定休 |
ケーキが主役の、ささやかなごちそう

la pause-café(ラポーズカフェ)といえば、まずはショーケースのケーキに目がいく。
常時8種類ほどが並ぶ自家製ケーキは、時間帯を問わずいつでも選べるのが嬉しい。季節のフルーツを使ったタルトは、訪れるたびに顔ぶれが変わる楽しさがある。

タルト生地にはアーモンドプードルが使われていて、サクッとしながらもしっとり。その上にカスタード、フワッとした生クリーム、果物がたっぷりのる。
最初のひと口から最後まで、食感がちゃんと残っていて、気づけばスプーンが止まらない。派手さはないけれど、静かに満足感が広がっていくような一皿だった。

スタッフおすすめのフォンダンショコラは、スプーンを入れると中からチョコがとろり。アイスとの“熱×冷”の組み合わせがなんとも贅沢で、甘さも控えめ。
ちょっと大人のひとときを過ごしたいときにぴったりだ。
焼きたてを待つ時間も、ひとつのご褒美

フレンチトーストは、時間があるときに頼みたい贅沢な一品。注文を受けてから、卵液にじっくりと浸して焼き上げるため、提供まではおよそ10分ほど。

けれど、その時間が待ち遠しいというより、むしろ心地よい。ふわっと香ばしく焼かれたトーストに、溶けゆくアイス、たっぷりのメープル。
休日の午後をゆっくり味わいたくなるような、そんな温度をしている。
飲みものにも、やさしい選択肢

コーヒー以外にも、ハーブティーやルイボスティーが選べるのがうれしい。
ティーポットで提供されるロイヤルミルクティーは、カップに注ぐたびに香りが立って、ちょっと特別な気分にさせてくれる。

そして密かな人気は「カフェオレ」。コーヒーとミルクが別々に出てくるから、自分好みの配分でつくれる自由さがある。
ただ飲むだけじゃなく、「自分の時間」を過ごしている感覚が、ここにはある。
まちが変わっても、変わらない場所がある

la pause-café(ラポーズカフェ)がこの場所にできたのは1996年。まだこの建物が「ビブレ布施」と呼ばれていた頃のことだ。
今ではイオンに名前を変え、街の景色も少しずつ変わってきたけれど、このカフェは、ずっと変わらずここにある。現店長の大西さんも、かつては学生アルバイトとしてこの店に立っていたという。

店内には、絵本やゲームが並んでいて、子ども連れの家族も、ひとりで本を読む人も、誰でもふらっと立ち寄れる。
ケーキが美味しいのは、運営母体がケーキ屋さんだからという理由もある。だけど、それ以上に、このカフェでは、どのケーキもちゃんと丁寧につくられているのが伝わってくる。だから、一口ごとに、納得できる味がするのかもしれない。

すぐ近くで、誰かが買い物袋をさげて歩いている。その足音とは別のリズムで、ここでは時間が進んでいる気がした。
ふとケーキが食べたくなったとき。ひとりでゆっくりしたい午後。旅の途中の、甘い寄り道。心が少しだけ疲れたときや、自分にやさしくしたくなったとき。

そんなとき、ふと思い出してほしい。あの2階にある、小さな休憩所のことを。