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2019.01.17.Thu

布施【笑福堂】布施を笑顔で見守る老舗和菓子店

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布施には老舗と呼ばれるお店がたくさんあります。

そんな布施の中でも古いを持っているのが、近鉄布施駅から徒歩7分ほどのところにある、笑福堂(しょうふくどう)です。

今回は、長い間布施を見守ってきた老舗店 “笑福堂”について紹介します。

穏やかな時間を感じる和菓子店

SEKAI HOTEL Fuseフロントから商店街を抜け、東側にまっすぐ歩いて行くとあるのが、今回のお目当て・笑福堂です。

閑静な住宅街の中にあるお店には季節の和菓子や落雁が並んでおり、賑やかな商店街とは一点、落ち着いた時間が流れています。

明治36年に現店主のおじいさんのお兄さんから始まった笑福堂。創業120年になる言わずと知れた老舗店です。そんな歴史と技術を受け継ぎ、笑福堂を切り盛りしているのが現店主の出倉さん。

シャイな出倉さんは、職人さんぽいクールな雰囲気ですが、お店に行くと「ちょっと見て行く?」と工房の中やお菓子を作るところを見せてくれる、とても気さくな方なんです。

職人技を支える道具

工房の中には120年の歴史を感じるものがたくさんあります。

その中でも一段と存在感を放つのが、この餅つき機。今はより性能の良い機械を使っていますが、昔はこちらを使っていたそうです。

このほかにも「こっちにもいっぱいあるよー!」と店主が見せてくれたのは、たくさんの木型。これらは練り切りや盆菓子などの型取りや装飾部分に使われるものだそう。工房の中だけではなく、倉庫にもたくさんの種類の木型があり、100種類を超えるんだとか。

木型の彫り目がとても細かくて美しい。繊細な技術が必要とされる和菓子作りにはこの木型が欠かせません。そしてこれらは全てオーダーメイド。

一つ一つの道具に店主のこだわりが詰まっています。

和菓子屋さんに行くことはあってもいつもは食べるだけ。ですが、このようなこだわりを目の当たりにすると、和菓子の奥深さを感じますよね。

職人技を体験

通常では和菓子づくりの体験をしていない笑福堂ですが、SEKAI HOTEL Fuseにご宿泊のゲストには特別に和菓子づくり体験プランを販売しています。
※前日までにフロントにて予約必須。1人2400円。

今回は、その和菓子づくり体験の内容の一部を紹介します。

まずは練り切り。飾り付け用の餡をざるのようなもので漉し、それを粒あんのまわりに細い箸で飾っていきます。

ピンクと黄色の餡で山の紅葉を表そうとしているのですが、色合いのバランスが難しい…。装飾用のこの細い箸も扱いが難しいんです。

一方、店主の出倉さんは、いとも簡単に綺麗にバランスよく乗せていきます。

少し難しい工程も、店主の出倉さんが優しく教えてくれます。

そして完成品はこちら。手前左の店主・出倉さんが作ったものは絶妙な色合いになってます。やはり和菓子は、職人の技術が見た目や味を大きく左右するのでしょうね。

お菓子は“生きもの”

「お菓子は生きものと一緒。作る人のその時の感情がそのままお菓子に現れる。だから一つ一つ、丁寧に、魂を込めて作る。」
と店主・出倉さんは言います。

それでも「こんなんお遊びやで」と恥ずかしそうに笑いますが、繊細な和菓子は、やはりこだわりがないと生まれないもの。

「日本の素晴らしい文化を、海外の人、若者に伝えていきたい。」

世界無形文化遺産の「和食」の中に含まれる和菓子。

日本の文化をより身近に感じ、触れることができる笑福堂は布施の大きな魅力ですね。

おまけ

実は笑福堂の創業当時の店名は別のものだったようです。

創業時の名前は”やっこ餅”。今とは随分違いますよね…。

その後、笑福堂に改名しましたが、昔から知るお客さんには”えみふくさん”と呼ばれていたそう。 柔らかく、まさに笑顔になれるような素敵な呼び名ですね。