人がいない路地裏の、哀愁漂う空気感。
布施の商店街から伸びる小道をのぞいてみると、そんな雰囲気にひたれる路地にたくさん出会えます。
路地裏の写真を撮ることが好きな方は多いですが、一歩踏み込んで、路地裏に構えている隠れ家のようなお店に行ってみると、また素敵な世界を楽しめるかもしれません。
SEKAI HOTELのフロントのすぐ右にある路地のお好み焼き屋、しげ美は穴場のお店の一つです。
タイムスリップしたような空間に迷い込んでみる
色褪せたのれんに、薄暗く見える店内。
一目見ただけでは少し勇気が要りますが、大丈夫。
安心してお店に入ってください。
店内は、昔懐かしさにあふれた年代物ばかり。
特に、コの字になっている鉄板のカウンターは、今ではあまりお目にかかれないものなんです。
店内のテレビによく流れている演歌番組が、昭和の雰囲気を醸し出していて、まるでタイムスリップしたような空間と相性抜群です。
しげ美は、御年85歳のお母さんが一人でお店を切り盛りしていらっしゃいます。
「こんにちは。何にする?」
「あんたどっから来たん?」
大阪のおばちゃんらしい、親しみがこもった口調に元気をもらえます。
からしは譲れないこだわり
目の前の鉄板で焼かれるお好み焼きのにおいは格別。
お肉とキャベツが焼かれるにおいが、食欲を刺激してきます。
両面が焼きあがったら、仕上げの味付け。
しかし、ソースとマヨネーズだけではありません。
お母さんが作るお好み焼きには、他では見かけないアクセントが入っています。
それは、なんと練りからし。
時折鼻にツンと抜ける辛さが、くせになるんです。
お母さんのからしへのこだわりは強く、「いっぺん、ちょっと食べてみ!」と必ずおすすめされます。
これができたら関西人!地元の人の食べ方にチャレンジ
一般的には、鉄板の上のお好み焼きを取り皿に移して食べますよね。
しかし、常連さんの方に目をやると、鉄板に置かれたお好み焼きをコテで切って、そのまま口に運んでいるではありませんか。
実は、これが大阪の人の食べ方なんです。
お好み焼きを一口サイズに切って、アツアツになったコテと一緒に食べるのは案外難しいです。
しかし、上級者向けな食べ方にチャレンジするのも、大阪の一員に溶け込んだ体験ができて楽しいですよ。
もちろん、取り皿とお箸も用意してもらえるので、ご安心ください。
お昼時を、ちょっとディープに。
お母さんの夜は早いので、夕方にはお店が閉まります。
なので、行くとしたらお昼どき一択。
旅先での昼食を、ディープに楽しむという選択肢もいかがでしょうか?