大阪府東大阪市出身のタレントであり、ファッションブランドも手がける松嶋尚美さん。バラエティ番組で見せる飾らないキャラクターで長く親しまれながら、独自の感性で活動の幅を広げてきました。
そんな松嶋さんが、SEKAI HOTEL Osaka Fuseの年間10,000人宿泊という節目に、久しぶりに布施のまちへ帰ってきました。
まずご案内したのは、大阪らしい“食い倒れ”の時間。コロッケ、あんぱん、たこ焼き。向かったのは、観光向けの名店ではなく、地元の暮らしを支え続けてきた商店街のテイクアウトグルメでした。
歩きながら食べて、立ち止まって、また歩く。その繰り返しの中で、少しずつほどけていく記憶。
「なんか落ち着くね」
松嶋さんが何度もこぼしたその言葉は、味の感想というより、身体が先に“帰ってきた”ことを思い出しているようでした。
コロッケの湯気に、昔の気配がまざる
最初に立ち寄ったのは、精肉店『肉のやまじん』。店先には、揚げたてを待つ人たち。油の香りが通りまで流れています。
「うわ、絶対おいしいやつやん」

袋を受け取って、その場でひと口。サクッと軽い衣のあとに、じゃがいもの甘さがふわっと広がる。
「おいしい。なんか安心する味やなあ」
一緒に並んでいたカレー味のポテトフライにも手が伸びる。こういうのって、商店街だから似合う。
そのあと、松嶋さんがぽつり。
「ここ、昔からあったんかなあ」 「覚えてへんけど、たぶん来てる気する」
記憶は曖昧。でも、匂いや温度だけは残っている。商店街には、そういう説明できない懐かしさがあります。
「家の近所にほしい」が、最高の褒め言葉
続いて向かったのは、昔ながらの『金太郎パン』。
ショーケースに並ぶパンたちは、どれも昔からこのまちの日常を支えてきた顔をしていました。松嶋さんが選んだのは、創業当時から続くというあんぱんでした。
「うわ、これ好き」
「あんこがちゃんとおいしい」
ふわっとした生地に、甘すぎない餡。流行りのベーカリーとは違う、“毎日食べたくなる味”。

「家の近所にほしいわ〜」
観光地の名物としてじゃなく、生活の中にあってほしい存在。それって、まちの店にとって、たぶん一番うれしい褒め言葉です。
たこ焼きは、「帰ってきた」の味がする
最後に向かったのは、『丸幸水産』のたこ焼き。

鉄板の前に立つと、ソースの香りがぶわっと広がる。ジュウッという音、人の行き交う声、紙舟の熱。
焼きたてを頬張った瞬間、松嶋さんが笑いました。
「大阪帰ってきた感じする!」
「落ち着く〜〜」
味だけじゃない。匂いも、音も、空気も全部込みで、“大阪”が身体に戻ってくる。

だから「おいしい」より先に、「落ち着く」が出てくるのかもしれません。
食べ歩きは、まちを身体に入れること
歩いて、止まって、また食べる。商店街の食べ歩きって、ただグルメを巡ることじゃない気がします。
コロッケの湯気。パン屋の甘い匂い。ソースの香りと、人の声。
その全部が混ざり合って、このまちの空気になっている。
歩くことで、記憶が少しずつ動き出す。そして次に待っていたのは、人との再会でした。
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