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受け継がれた食卓で、今日の記憶をほどく。【大重亭|洋食】

SEKAI HOTEL Takaokaのある末広町商店街を抜けて、一本脇道へ入る。
居酒屋の暖簾が揺れ、開いた扉から笑い声がこぼれる。
その並びに建つ「大重亭ビル」の2階。階段を上がると、洋食の香りが漂ってくる。
「あのお店、よかったね。」「明日はどこへ行こうか。」
そんなの続きをするように、大重亭の夜は始まる。

スポット情報
大重亭
住所 富山県高岡市末広町38 大重亭ビル 2FGoogleMap
電話番号 0766-22-1669
営業時間 11:30~14:00/18:00~22:00
定休日 水曜日

祖父の店を、もう一度

大重亭の始まりは1948年。現店主の祖父が営むステーキ店だった。

「特別な日は大重亭へ」と足を運ぶ人も多かったという。 今も店名を聞くと、懐かしそうに表情をほころばせる人がいる。

店内中央には、当時使われていた看板が今も掲げられている。ハンバーグを待つ間、ふとその看板へ目が向く。 

祖父の引退とともに、店は一度幕を下ろした。

その後、大阪で料理人として経験を積んだ孫が店を継ぎ、祖父が営んでいたこの場所で再び暖簾を掲げた。 

食卓を囲む、それぞれの夜

店内には木のテーブルが並び、緑色の革張りの椅子やソファが迎えてくれる。 

リノベーションの際に現れたコンクリートの壁は、そのまま残した。 

花瓶には季節の花が数輪。温かな照明がテーブルを照らしている。

肩肘張るような緊張感はない。けれど、いつもの食事より少し特別な時間を過ごしたくなる。

店主が掲げるコンセプトは「大人のファミレス」。

小さな子どものお皿へハンバーグを取り分ける家族。仕事終わりにグラスを合わせる人たち。祖父の代を懐かしみながら食事を楽しむ常連。

過ごし方はそれぞれ違う。けれど、そのどれもがこの空間によく馴染んでいる。

富山の山の恵みを、洋食で

SEKAI HOTEL Takaokaの夕食付きプランでは、大重亭の特製ハンバーグを味わうことができる。

主役は、とやま和牛。富山の山々から流れる水と、稲わらをはじめとした飼料で育てられた牛肉だ。

粗びき肉に塩こうじを加え、やわらかな食感に仕上げる。注文が入ってから一つずつ手ごねで成形し、焼き上げるのもこの店のこだわりだ。

焼きたてのハンバーグにナイフを入れると、肉汁がゆっくりとあふれ出す。

添えられたサラダやスープを口に運ぶうちに、今日の話が自然とこぼれる。

路面電車の車窓から見えた景色のこと。 立ち寄った喫茶店のこと。

ハンバーグの湯気とともに、一日が少しずつほどけていく。

富山の日本酒をはじめ、クラフトジンやウイスキー、クラフトビール、ワインなど、地元のお酒も充実している。

「せっかくだから、もう一杯。」

料理を食べ終えても席を立たず、 グラスを傾けながら話の続きを楽しむ人も多い。

今日を話すための店

店主さんはこう話す。

「観光や食べ歩きを楽しんだ終わりに、当店でゆっくりと旅の思い出を語り合いながら、自慢のハンバーグで心もお腹も満たし、明日への元気をチャージしてほしい。」

祖父の代を知る人が懐かしそうに食事を楽しみ、その隣では旅人が今日訪れた場所の話に花を咲かせる。

食卓を囲む穏やかな空気は、昔も今も変わらない。

旅を振り返ったとき、思い出すのは観光地だけではない。

湯気の立つハンバーグを囲みながら笑ったこと。
「もう一杯飲もう」と話したこと。

そんな何気ない時間もまた、高岡で過ごした一日の記憶に重なっていく。

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