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予定不調和こそが、最高のコンテンツ。プロに“全乗っかり”した布施の夜【ヨッピーさん、布施におかえりなさい!】

「布施の楽しみ方を直伝してやる」

そんな頼もしすぎる言葉とともに、ライター・ヨッピーさんが、幼少期からの遊び場だった東大阪・布施へ帰ってきました。

今回この“まち遊び”に集まったのは、個性豊かな大人たち。

企業ブランディングを手がけるマーケター・なんぼーさん。SNS界隈で独特の存在感を放つコンテンツメイカー・5歳さん。そして一般人代表、友人のはるさん。

本来なら、私たち SEKAI HOTEL が案内役を務めるところですが、今回はかなり異例。

「今日のアテンド、全部ヨッピーさんに任せます」

筆者自身も完全にひとりのゲストとなり、予定不調和な布施の夜へ放り込まれることになったのです。

商店街の真ん中から、旅が始まる

集合場所は、商店街の中にあるSEKAI HOTEL Osaka Fuseのフロント。

「よし、行くぞ!」ヨッピーさんの号令とともに、私たちは夜の布施へ繰り出しました。

ホテルの扉を出た瞬間から、まち全体がホテルのロビーになる。スタッフとゲストの境界線も、少しずつ曖昧になっていきます。

「今日は全部乗っかります!」そう宣言して先頭を歩くヨッピーさんの背中を追いかけながら、私たちは”地元を知り尽くした人の遊び方”に身を委ねていきました。

売り切れすら、なんだか楽しい

まずヨッピーさんが案内してくれたのは、布施の日常を支える店たちでした。

最初に立ち寄ったのは『肉のやまじん』。店先から漂う揚げ物の匂いに抗えず、全員で70円のコロッケを頬張ります。

「うまっ」たったそれだけのことなのに、もう楽しい。

続いて向かったのは、駅前の和洋菓子店『モモヤ』。名物のミックスジュースを目当てに向かったものの、この日はまさかの売り切れ。

普通なら少し残念な場面ですが、「ま、それだけ人気ってことやから! 次来た時の楽しみやね」と豪快に笑い飛ばします。

さらに、創業30年以上のクレープ店『ワゴンボーイ』を経由し、大阪唯一のご当地ラーメン「高井田ラーメン」発祥の店『住吉』へ。

……しかし、ここもスープ売り切れで閉店。それでもヨッピーさんは、閉まったシャッターの前で、

「真っ黒な醤油スープに太麺でな……」と、熱量たっぷりにプレゼンを始めます。

思い通りにいかないのに、不思議とずっと楽しかったのを覚えています。全部が予定通りじゃない。だから面白い。

その瞬間、私たちは暮らしの中を遊んでいるんだと気づかされた気がしました。

銭湯で、一回リセットする

すっかり布施の熱量にあてられた一行は、夜の本番に向けて地域の銭湯『戎湯』へ。

昭和レトロな暖簾をくぐり、広い湯船に浸かる。風呂上がり、火照った身体に夜風が抜けていく。

その感覚だけで、「あ、今日めちゃくちゃいい日やな」と思えます。

旅館の大浴場とは違う。スーパー銭湯とも違う。そこには、ちゃんと地域の人たちの日常が流れていました。

満席。彷徨う。だから楽しい。

「さあ飲むぞ!」……と勢いよく街へ戻ったものの、土曜夜の布施は甘くありませんでした。

狙っていた店はどこも満席。完全に夕食難民です。

でも、この予定の狂いこそが、この夜を最高にしていきました。

「じゃあ次行こか」ヨッピーさんの嗅覚だけを頼りに、私たちは路地裏を彷徨います。

そして辿り着いたのが、SEKAI HOTEL Osaka Fuseのパートナーショップ、沖縄居酒屋『垣花家』でした。

「うわ、ここ絶対ええやん!」

SEKAI PASSを提示すると、常連さん向けの裏メニュー3種盛りが登場。その瞬間、一行のテンションは一気に最高潮へ。

なんぼーさんが「酒豪伝説」を取り出し、はるさんも覚悟を決める。気づけば私も完全にホスト役を忘れ、「乾杯!」とグラスをぶつけていました。

編集された日常の、その奥へ

その後、ようやく空席ができた老舗鉄板焼き店『よしひろ』へ。

アツアツのお好み焼きを囲みながら、会話はさらに加速していきます。

そして夜の締めくくり。

「同級生がやってる店あるねん」

ヨッピーさんに連れられて辿り着いたのは、深夜だけ現れる屋台のおでん屋でした。

夜風。湯気。出汁の匂い。同級生との昔話。高級ホテルのバーには絶対にない時間が、そこには流れていました。

完璧に整えられたサービスではなく、偶然と人間関係の積み重ねでできている夜。

ヨッピーさんに連れられて、路地を歩いて、湯気の前で立ち止まって、誰かの昔話で笑っているうちに、私たちは布施のまちにすっかり馴染んでいました。

「何が起きるかわからない」が、一番面白い

全3回にわたってお届けした、ヨッピーさんの「おかえり企画」。

かつては「バイクが来たらひったくりと思え」と言われた街は、今、大人たちが全力で予定不調和を楽しめる場所へと変わっていました。

行きたかった店が閉まっている。満席で入れない。路地を彷徨う。でも、その全部が思い出になる。

10,000人という数字は、私たちが編集し続けてきた布施の日常が、誰かの特別な記憶に変わった回数なのかもしれません。

「また面白いことやる時は、いっちょ噛みさせてください」

ヨッピーさんが最後に残したその言葉を胸に、私たちはこれからも、売切御礼の張り紙前で笑ってしまうような、ちゃんと”生きている”街の旅を届けていきます。

布施の夜は、まだまだこれから。次の10,000人のひとりとして、ぜひこの商店街の真ん中へ遊びに来てください。